社長営業の会社が10年後に止まる理由
最近、同じような相談を受けることが増えました。
・展示会に出ても以前ほど手応えがない
・紹介案件が明らかに減ってきた
・営業を採用したが思ったように成果が出ない
・ホームページを作ったが問い合わせが来ない
話を聞いていくと、どの会社も特別な問題を抱えているわけではありません。
むしろ、これまで長く安定して経営を続けてきた会社ほど、この状態に入っている印象があります。
そして、多くの経営者がこう言います。
「景気の問題ですかね」
「人材がいない時代だから仕方ないですね」
「価格競争が激しくなりました」
確かにそれらも一因ではあります。
ただ、複数の会社を見ていくと、どうもそれだけでは説明がつきません。
むしろ、景気が悪くなる前から、同じ兆候は静かに始まっています。
多くの会社が考える“原因”
営業がうまくいかなくなったとき、多くの会社は次の対応を検討します。
・営業マンを増やす
・広告を出す
・ホームページをリニューアルする
・展示会の出展回数を増やす
どれも間違いではありません。
実際、短期的には一定の効果が出ることもあります。
しかし、しばらくするとまた元の状態に戻ります。
むしろ、費用だけが増えていると感じるケースも少なくありません。
ここで一度、立ち止まって考えてみる必要があります。
営業がうまくいかない原因は、本当に「営業活動の量」なのでしょうか。
本当の原因は営業ではなく“構造”
多くの中小製造業は、営業活動によって売上が立っているわけではありません。
・社長の人脈
・長年の取引先
・技術者への信頼
・紹介
これらによって仕事が回っています。
つまり、営業活動で受注しているというより
関係性の蓄積によって売上が成立している状態です。
この形は非常に強力です。
長い間、安定した受注を生みます。
ただし、一つだけ特徴があります。
この仕組みは「維持」はできますが、「更新」ができません。
取引先の担当者が変わる
紹介者が引退する
社長が第一線から少し引く
この瞬間から、売上は急に減るのではなく、静かに減り始めます。
景気の波のように見えますが、実際には構造の問題です。
会社の営業が止まるのは、営業活動が止まったからではありません。
関係性の更新が止まったからです。
なぜ営業マンを入れても解決しないのか
ここで営業担当を採用する、という判断になります。
しかし、多くの場合、期待した成果にはつながりません。
理由は単純です。
営業マンが悪いのではなく、営業の仕組みが存在していないからです。
中小製造業では、次の状態になっていることが多くあります。
・技術の強みが言語化されていない
・見込み客がどの段階で検討しているか分からない
・説明内容が人によって変わる
・商談の基準が属人的
つまり、営業担当は「何をどう説明すれば受注につながるか」を会社から渡されていません。
結果として、営業マンの能力の問題に見えますが、実際には
会社の情報構造の問題です。
ここを変えない限り、営業を増やしても成果は安定しません。
では何から始めるべきか
営業を増やす前にやるべきことがあります。
会社の強みを、営業担当者個人の経験から切り離し、
会社の中に残る形にすることです。
・どのような会社に価値が出るのか
・どんな課題に対応できるのか
・なぜ選ばれてきたのか
これらが整理されて初めて、営業活動が再現できるようになります。
近年、ホームページやWEB活用の話が増えていますが、
それらがうまくいく会社とうまくいかない会社の差も、ここにあります。
もしこの記事の内容が、自社の状況に近いと感じられた場合、
まず何から手をつけるべきかは会社ごとに異なります。
一度状況を整理すると、優先順位ははっきりします。
必要であれば、個別に整理のお手伝いも可能です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
製造業の営業の問題は、会社ごとに状況が異なります。
同じ「問い合わせが来ない」でも、原因が営業プロセスなのか、顧客層なのか、情報の伝え方なのかで、取るべき対策は変わります。
もし自社の状況に近いと感じられた場合は、まず現状を整理するところから始めると、優先順位が明確になります。
