展示会中心の会社が徐々に受注を失う構造

製造業の営業

展示会中心の会社が徐々に受注を失う構造
― 効いているうちは気づけない落とし穴 ―

展示会は、中小製造業にとって強い手段です。
短期間で名刺が集まり、現場の声も拾えて、運が良ければ大口の話も入る。

実際、展示会を軸に長年うまく回ってきた会社も多いと思います。
ところが最近、同じ相談が増えています。

・出展しても、以前ほど商談化しない
・名刺は集まるのに、受注に繋がらない
・フォローが追いつかず、次の展示会が来る
・出展費用は上がっているのに、成果が読めない

ここで重要なのは、展示会が悪いわけではないということです。
問題は「展示会が中心になっている構造」そのものです。

展示会が効かなくなるのは、景気のせいだけではない

「景気が悪いから」「来場者が減ったから」
こう捉えたくなりますが、それだけでは説明しきれないケースが増えています。

展示会中心の会社は、業績が落ちる前から内部で静かに同じ現象が始まります。
多くの場合、急に落ちるのではなく、少しずつ薄くなる形です。

展示会中心の会社に起きる3つのズレ

ズレ1:相談のタイミングが、展示会より前に移っている

見込み客は、展示会で初めて情報を集めるのではなく、
事前に検索や動画、社内の共有情報で候補を絞ってから来るようになっています。

その結果、展示会場は「比較の最終確認」になりやすい。
展示会で初めて知ってもらう前提だと、取りこぼしが増えます。

ズレ2:名刺は増えるが、検討の深さは浅くなる

名刺交換はできても、相手の検討段階はバラバラです。
すぐ案件になる人もいれば、情報収集だけの人もいる。

ところが展示会中心だと、名刺の数が成果に見えやすい。
やった感は出るのに、受注が増えない状態に入りやすくなります。

ズレ3:フォローが属人化し、毎年リセットされる

展示会後のフォローは、本来は積み上げで効いてきます。
しかし現実は、次の展示会準備や既存対応に追われ、フォローが後回しになります。

結果として、今年の名刺は今年の名刺のまま終わり、
翌年には新しい名刺が上書きされる。接点が資産になりません。

展示会中心が怖いのは、減り方が静かなこと

展示会の成果は、ある年を境に急にゼロになるというより、少しずつ薄くなっていきます。
だから判断が遅れます。

「今年はたまたま」「次は巻き返せる」
そうやって継続しているうちに、紹介も既存も同時に細っている、という形になりやすい。

展示会に力を入れてきた会社ほど、ここが見えにくい。
効いてきた成功体験があるからです。

営業マンを増やしても、展示会中心が残ると同じ現象が起きる

展示会中心の会社では、営業を採用しても仕事の中心が展示会フォローになりやすい。
そしてフォローの質は、担当者の経験と勘に依存します。

結果として「人を増やしたのに成果が安定しない」という状態に繋がります。
人数ではなく、構造が同じままだからです。

まとめ

展示会は有効な手段です。
ただ、それが中心になった瞬間から、受注は積み上がるものではなく、当たり外れのあるものになりやすい。

もしこの記事の内容が自社の状況に近いと感じられた場合、
一度、現状の流れを整理すると、どこが詰まっているかが見えてきます。

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